2018年12月7日〜2019年2月28日に開催された、「木下直之全集 ―近くても遠い場所へ―」に先立ち、Web版の展覧会として、2017年12月7日から1年にわたって開催されました。
2000年に東京大学大学院・文化資源学研究室に招かれ、以来その研究を率いてきた木下直之。近代の日本美術を主な関心としつつも、写真や建築、銅像や祭礼など、美術に隣接するものへと領域を広げ、世の途中から隠されてしまったもの、忘れられたもの、消えゆくもの、その場かぎりのものに目を向けてきました。
木下がこれまでに著した12冊の本を全集に見立て、「作品とつくりもの」、「建築と建物」、「ヌードとはだか」など、ものごとの境界線をたどります。身近にありながらも通り過ぎてしまう、近くても遠い場所へ皆さまをご案内します。
NPO法人AAF(アジアン・アーキテクチュア・フレンドシップ)が支援するヒマラヤの学校建設とこどもたちをパネルと模型、動画等で紹介すると同時に、ネパール特産品のパシュミナ等のチャリティセールを行います。
東京圏に位置する大学の建築系学科等で行われている設計製図授業の中から、住宅課題における優秀作品を各校1作品ずつ推薦していただき、それらを一同に集めた展示会です。
普段何気なく見過ごしている「人・建築・都市」をファインダーを通して記録し、そこから何かを発見する、実験的な参加型イベントです。今回のテーマは昨年創設140周年を迎えた東京大学があり、歴史ある町並みを感じることができる場所、本郷です。招待写真家と公募で集まった参加者100人によってフィルムに収められた、多様なまちの姿をご覧ください。
世界にはいろいろな木造建築があり、地域ごとにその特性が現れた形となっています。本展覧会では、東南アジア島嶼部と呼ばれる大小さまざまな島からなる地域に焦点をあて、その建築と生活文化について紹介します。道具を携えて渡来した職人もいれば、そもそも職人そのものが存在しないところもあります。身近な生活圏から得られる材料を熟知し、使いこなす知恵。多様な文化が混在する東南アジアの世界を、建築技術の側面から垣間見てみたいと思います。
フィンランドでは赤ちゃん誕生に際し、すべての母親に手当が支給されます。140€(3月現在)の現金、またはベビー服やケア製品の入ったべビーパッケージのどちらかを選ぶことができます。ベビーパッケージは出産間近の妊婦の負担を軽減するだけでなく、生まれてくる赤ちゃんへの社会からの分け隔てない歓迎のメッセージでもあります。
パッケージにはベビー服やタイツ、シーツやマット、タオルなどが入っており、ボックスは赤ちゃんのベッドにもなるように設計されています。展覧会では、フィンランドの子育てについて紹介するとともに、ベビーパッケージボックスのアイディアコンペも開催します。
プロダクトデザイナーであり、世界的に評価された橋の環境デザイナーである大野美代子。数々の経験を経て日本でデザイン事務所を立ち上げたのち、日本の暮らしや食生活に適したダイニングテーブルや椅子を発表し、世界で注目される存在となりました。
また、橋という巨大な土木構造物に挑戦するデザイナーが珍しい時代の中で、公共空間も生活環境の一部であると考え、高齢者や子ども、妊婦にも優しい空間を提案しました。美しい橋を架けて、人と人、街と町を繋ぎ、新しい交流を生み出してきた彼女の仕事は、デザインが重要視されてこなかった土木の世界に風穴を開け、ヒューマナイズさせることへの挑戦でもありました。女性デザイナーの心意気が切り拓いた道を、若い世代への架け橋として紹介します。