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義足の今を知る
変わる義足とそのイメージ
板ばねで颯爽と走るランナー、ランウェイを歩く義足モデル…板ばねの走行用義足やコンピュータ制御で動きをサポートする義足など、義足は日々進化しています。機能面だけでなく、ソケット部分に思い思いの柄を施したものや、ショーなどで使われるデコレーション義足など、身に着けていて気分があがる、自信が持てるような義足のスタイルも広まり、義足を見る側の意識も変えてきました。
日常からスポーツまで
私たちがメディアでもっとも目にする義足は、パラアスリートがはく板ばねの走行用義足かもしれません。走行用義足はスポーツ時のみに使われるもので、アスリートも普段は日常用義足をはいています。人の体重を支え、階段をのぼるなど生活の中の複雑な動きにも対応する日常用義足は多様な機能で暮らしを支えています。
大腿義足 日常用
ユーザー:大西瞳
膝継手はマイクロコンピュータ制御で、センサーにより動きをサポートする。
大腿義足 日常用
ユーザー:大西瞳
かかとの高さを調節し、ハイヒールをはくこともできる。
シリコンカバーを使用し、リアルな肌を再現している。
大腿義足 走行用
ユーザー:大西瞳
足部が板ばねになっている。ハイビスカス柄がトレードマーク。
大西瞳・臼井二美男
撮影:越智貴雄/カンパラプレス
大西瞳
撮影:越智貴雄/カンパラプレス
かっこいいでしょ?
義足をはいた自分を誇り「かっこいいでしょ」と高らかに立つ。スポーツの場で義足を隠さないことが一般的になると、より積極的にその姿を見せていく動きがおこります。越智貴雄「切断ヴィーナス」プロジェクトでユーザーの足元を鮮やかに彩る、それぞれの個性に合わせた“気持ちが高まる” 義足は、信頼関係と高い技術、堂々と立つ彼女たちを応援する姿勢の結晶であり、それを見る義足ユーザーを勇気づけてきました。
デコレーション義足
ゴールド
ユーザー:海音
高校生のモデル、海音さんの撮影用に製作
デコレーション義足
クリスタル
ユーザー:海音
高校生のモデル、海音さんの撮影用に製作
ショー用義足
桜花ふぶき
ユーザー:須川まきこ
「誰も作ったことのない義足」として、大胆な発想で製作。
LEDが紫色に光る。
デコレーション義足
ユーザー:水町敦子
足元に造花をあしらい、ソケットに細かなラインストーンが光る。
切断ヴィーナスショー(2015~)では、アスリートや学生、モデルなど、様々な義足ユーザーの女性がランウェイを歩く。
切断ヴィーナスショー2020より
撮影:越智貴雄/カンパラプレス
ショー用義足「桜花ふぶき」のLEDを点灯した姿。
切断ヴィーナスショーで実際に使用された。
須川まきこ
撮影:越智貴雄/カンパラプレス
義足はすべて臼井二美男製作、鉄道弘済会 義肢装具サポートセンター所蔵、光齋昇馬撮影