三富材 ╳ 木工家
「トーチェア籐編み」
朝倉 亨・玲奈(京都炭山朝倉木工)
樹種(地域材) | ヤマザクラ |
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その他 | 皮籐 |
仕上げ | 撥水セラミック塗装 |
寸法(mm) | W576×D495×H970 |
現代の暮らしに合った京都炭山朝倉木工的ウィンザーチェアです。密集した細いスピンドルは背中や腰を面で優しく支えます。座面は籐編みで構成し軽やかな印象にデザインしました。地域材はウィンザーチェアと相性が良い。ウィンザーチェアの起源は、イギリス地方の農民が日常の生活道具を周辺の森林を伐採して作ったのが始まりだからです。身近な素材(地域材)で作られた椅子のオーナーは、そのものを所有する(使う)喜びと同時に身近な自然とダイレクトに繋がる楽しみを味わうことができるでしょう。
「アームチェア」
芦田 大介(By Hands)
樹種(地域材) | シデ |
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その他 | ウォールナット |
仕上げ | オイル・ワックス |
寸法(mm) | W566×D518×H716 (SH406) |
永く使って頂ける飽きのこないデザインを心がけています。三富地域の間伐材を使い始めて10年以上になりますが、いつも材の歩留まりの悪さに悩まされるので、なるべく幅の狭い材で作れるようなデザインにしています。畳摺を付けることで細い材でも強度を確保し、和室での使用も意識しています。座面も接ぎ合わせでは無く複数の部材を組み合わせて作っています。
「01_dc-v2」
植木 祐介/祐川 諭/藤原 誠(621)
樹種(地域材) | ヤマザクラ |
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仕上げ | ウレタンクリア塗装 |
寸法(mm) | W490×D490×H720 |
出品の椅子はオリジナルとして製作してきた椅子をリデザインしたものです。普段家具を作る際は比較的均質な流通材を使用することが多いのですが、さんとめ材の個性的な表情が加わるとどうなるのか私たちも楽しみでした。この椅子の特徴でもあるアームの曲げや接合部の納まりなど、節や割れなど癖を見極めながらの加工は手間もかかりますが、その土地で育ったからこそ現れる表情は特別な価値を持つきっかけになると感じています。
「SANTOME Chair NO11」
宇納 正幸(UNOH)
樹種(地域材) | ヤマザクラ |
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その他 | 国産ミズメ、張り材(籐) |
仕上げ | オイル |
寸法(mm) | W470×D370×H1050 (SH420) |
普段の仕事は、かってアメリカで活動した Shaker 教徒が自給用に作った家具の制作と研究です。その椅子類はコミュニティー近辺の硬く粘りあるメープル材が多く使われ、軽くてスレンダーな物です。普段は彼らに倣い北米産メープル材を使っています。今回は埼玉県の三富地域のヤマザクラを使い Shaker style Chair を製作しました。地域材・国産材を使い椅子を製作する事は、Shaker design を再考することになり、彼らの精神性を改めて感じる事にもなりました。
「さんとめ材の椅子」
賀來 寿史
樹種(地域材) | ヤマザクラ、ホオノキ |
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仕上げ | オイル |
寸法(mm) | W450×D450×H760 (SH420) |
普段の活動から地域材の活用をするには、モノづくりだけで完結するのではなく、ヒトやコトとどう繋げていくのかということを意識しています。今回の椅子は、以前から取り組んでいる林産地や製材所など家具を生産する特別な設備がなくても生産でき、使い手がモノづくりに関われるコイヤの椅子を雑木と呼ばれがちな地域材広葉樹に置き換え少しアレンジを加えたものになります…
「アオハダとムクノキの椅子」
久津輪 雅(岐阜県立森林文化アカデミー)
樹種(地域材) | アオハダ、ムクノキ |
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その他 | 熊本県産い草 |
仕上げ | 無塗装 |
寸法(mm) | W480×D500×H800 (SH430) |
生木を手道具で削る「グリーンウッドワーク」の手法で作りました。この椅子の材は直径12cm、長さ1mのアオハダとムクノキ。本当はこの樹が育った三富の森を見て、森の手入れをする方に話を聞き、それから作り始めるつもりでした。コロナのため見学はできませんでしたが、丁寧に包まれて岐阜に届いた樹に、森を手入れする方の愛情を感じました。だからこそ、この樹の生命感が伝わる椅子にしたい!そう願いながら製作したものです。
「Low back windsor」
小島 優(chairist)
樹種(地域材) | ヤマザクラ、コナラ |
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仕上げ | 着色(弁柄、松煙、コーヒー、ワイン、膠) シェラック、蜜蝋、レモンオイル |
寸法(mm) | W570×D500×H780 |
ウィンザーチェアの特徴として、背もたれやアームのパーツに曲木を施したものを使います。普段はホワイトアッシュやビーチを使いますが、今回提供していただいた木の中ではコナラが一番曲がりそうな顔をしていたので初めてコナラの曲木に挑戦してみました。身近な地域材でも自分の作品の材料になる事がわかっただけでも今回の制作は有意義でした。
「Aチェアー」
須田 賢司
樹種(地域材) | シデ |
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仕上げ | ニトロセルロースラッカー |
寸法(mm) | W410×D440×H760 (SH400) |
木材は工業製品と異なりそれぞれ違う表情、物語を持っている。私はその個別性を大切にして制作しているが、それは創作への素材からの制約でもある。しかしその制約こそが木工藝の特徴であり、自らの考えにふさわしい材の入手に努めるのが普段の手順である。今回はその回路を逆にたどり、与えられた材からの制作もまた形に変化を与え面白い。今までマホガニーやアッシュなど強靭な材で作ってきたAチェアーの新たな展開となった。
「SW-05. to be seated」
高橋 三太郎(家具工房 santaro)
樹種(地域材) | シデ |
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仕上げ | OSMO ワンコート ホワイトパイン |
寸法(mm) | W450×D480×H810 (SH430) |
1970年代前半に始まった、デザインし、作り、使い手に手渡す、木工家という全体性を持った家具作りのスタイル。暮らし方の一つの選択としてのその思いは、童謡の中の村の鍛冶屋ならぬ町の家具屋。そして約50年後の制御不能な程グローバル化した今。また地産地消、身の丈に合った社会の仕組みについて考える。人の身体性に近い椅子を作り、座ることを通して、何かを語ること、想うことの意味は軽くないと思います。
「Wrap ChairⅡ」
髙村 徹(髙村クラフト工房)
樹種(地域材) | シデ |
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仕上げ | ウレタンフィニッシュ |
寸法(mm) | W430×D460×H680 |
世界的に広葉樹が枯渇している現在、我々の身近にある木を有効活用して道具を作り使うこと。昔の日本では当たり前だったことを今・大切にすることが重要だと考えます。シデの木は、家具材としては使わない木ですが、木の性格を読みながら工夫することで、Wrap Chairになり、私達の生活に無くてはならない椅子になることを考え製作しています。
「ms-Folding chair」
百々 祥人・川邉 公太郎(+veve)
樹種(地域材) | ヤマザクラ |
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その他 | 張り生地:X-PAC VX21 |
仕上げ | クリアオイル |
寸法(mm) | W570×D580×H850(SH380)(W570×T40×L1025) |
膜構造(membrane structure) 内地材を使うのだから、山と人の心を繋ぐ道具としての椅子を。自分の椅子が、目の前の自然から生まれてきたことを少しでも感じることが出来るようにアウトドアの折り畳み椅子を製作しました。資源を有効活用するため棒材のみで構成し、新しい試みとして一続きの張り生地を構造体に取り入れました。膜構造を用いることで、任意の角度で形状を保ち使用することを最終目標としています。
「キノチカラ」
野木村 敦史(すまうと/smaut)
樹種(地域材) | シデ |
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その他 | 静岡県産ヤマザクラ |
仕上げ | 蜜蝋+亜麻仁油 |
寸法(mm) | W710×D720×H1060 (SH380) |
特徴は①座背の木製クッション②姿勢を整えたままくつろげる設計③接着剤塗料まで天然素材仕様。木材は樹種により硬さ/重さ/柔軟性/調湿性能など異なった特性を持つので木の自然のチカラを生かせたらと考えています。普段からみぢかな木を使うのは林業製材業の方々と新月伐採、葉枯らし乾燥、繊維方向製材、低温乾燥などで関わる事ができ良材づくりの一つの仕組みができると考えているからです。
「三富桜と吉野杉のベンチ」
平井 健太(studioJig)
樹種(地域材) | ヤマザクラ |
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その他 | 吉野杉 |
仕上げ | 撥水セラミック塗装仕上げ |
寸法(mm) | W1600×D600×H1100 |
節や割れ、腐れ等の癖を持つ三富の桜と、無節、均質で真っ直ぐな木目を持つ吉野杉。自然が育てた樹と、人が育てた樹。両極端の性質を持つ樹を使い、一つのベンチに仕立てました。地域材は材木屋で取り扱われる様な綺麗な材ではありませんが、樹の個性、力強さという点では他にない魅力を持っていると思います。普段使用している吉野杉にはない、樹の持つ個性を補完できたら良いなと思います。
「patol stool」
平山 和彦・真喜子(平山日用品店)
樹種(地域材) | コナラ、ヤマザクラ |
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その他 | 籐、革、真鍮 |
仕上げ | クリアオイル |
寸法(mm) | W300×D300×H410 (折り畳み時の厚み:69) |
座面と脚のパーツを360°可動する紐蝶番で繋いだ折り畳み椅子で、「パッと折る」から「パトル」です。国産材は小径木であったり、割れ、節などが多いですが、この椅子は、薄さ細さが強みであり、大きな部材が必要ではないので、材を小割りにして使えます。この特性を活かし、様々な樹種の地域材を使った patol stool を生み出していく事ができれば、より持ち主に愛される椅子になるのではと期待が膨らみます。
「Releve」
法嶋 二郎(Ambitious Labo.)
樹種(地域材) | ヤマザクラ |
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その他 | ヤマザクラ(国産材) |
仕上げ | オイル |
寸法(mm) | W473×D522×H810 (SH440) |
輸入材を使うことが多いのですが、いろんな巡り合わせでこちらにやって来た地域材なども良いものであれば、普段から使っています。何事にもこだわりを持たない、と言うことにこだわって作品作りをしております。