フィンランドのベビーパッケージは、2013年にBBCによって紹介されたことをきっかけに世界各国から注目を集めました。近年では30以上の国がベビーパッケージにならった取組みを行い、スコットランドでも2017年から「ベビーボックス」が支給されています。そして日本でも、ネウボラやベビーパッケージに影響を受けた地域の育児支援がはじまっています。
内閣府は平成27年度の「少子化社会対策大綱」にて「(3)結婚、妊娠・出産、子育ての各段階に応じた切れ目のない取組と地域・企業など社会全体の取組を両輪として、きめ細かく対応する」ことを方針として掲げました。そのなかで、妊娠・出産期の支援として地域の「子育て世代包括支援センター」(妊娠期から子育て期にかけての様々なニーズに対応した支援を行うワンストップ拠点)の整備が課題とされています。これは保健師などが全ての妊産婦の状況を継続的に把握し、切れ目のない支援を行う拠点であり、まさにネウボラに相当するものであることが分かります。
こうした流れを受け、全国の自治体で「地域版ネウボラ」事業や、妊娠期から子育て期までの継続した支援への取組みが広がっています。ギャラリーエークワッドの周辺地域でも、浦安市(千葉県)、八王子市、文京区など多くの自治体で、保健師の駐在するセンターを拠点とした妊娠期面接やケアプランの作成等の支援が実施されています。こうした支援を利用するきっかけに、そして新しい家族へのプレゼントとして、日本の自治体も独自のベビーパッケージを提供しています。
また2018年4月から、生活協同組合コープさっぽろ(北海道)による「ファーストチャイルドボックス」もスタートしました。第一子の出産を控えた組合員へのプレゼントで、フィンランドのベビーパッケージにならったコープからの「母親手当」です。形はそれぞれですが、どれもあたたかい歓迎と応援のメッセージです。
協力
浦安市 健康こども部母子保健課、八王子市、文京区 保健サービスセンター、生活協同組合コープさっぽろ