日本でガラスが作られるようになったのは、江戸時代中頃。中国から長崎に伝えられた吹きガラス「ビイドロ」が庶民の間に広まりました。江戸時代の終わりには、カットを施したガラス「ギヤマン」が西洋からもたらされ、日本でもカットガラスの制作が始まりました。それが、切子。「ガラスを切る」という意味です。
鑑賞の壺
「江戸の切子に虹の輝きを見よ」
「カットの丸みを確かめよ」
「色のぼかしは薩摩の宝」
コレクターからのひとこと
牧野光延さん(古美術南洲堂)
鉛ガラスである。まず手触りは、ヌメッとしていますね。油を含んでいるように。さらに、経年変化といいまして、時代の古いものは、表面が少し化学変化します。これが虹のような色に見えることがありますね。それと、切り子はカットによってガラスの厚さに変化がついてますから、屈折がまちまちになります。これがまたきれいなんです。