原発事故から丸2年たち、今感じる都市や人々、それらの営みや振る舞いを「自分たちが感じる象徴としての原発(建屋)」と「現実を映すスクリーン」という2つの作品を通して表しました。

均一に大量生産されるしょうゆ差し一つ一つを人に見立て個を表しています。
しょうゆ差しの「入れ物」としての機能を使い、中に色水を入れて作品内外を彩ることで 無機質に純化していく都市や埋没していく個など現代の人々や都市と、それぞれが与える影響と振る舞いを表しています。

15万1503個のしょうゆ差しが屹立し均一に表面を覆い、高さ3mを超える大きなキューブを制作しました。このキューブは、原発の地下を除き地上に見える建屋の比率とほぼ同じ物をより単純化したものです。表面を覆うしょうゆ差しの個数は、災害による福島県内外への避難者数です。

また、全てのしょうゆ差しの7割はカラフルで3割は黒く濁った色水が入っています。
この割合は、会期初日である3月14日。ちょうど2年前のこの日に爆発した3号機の炉心損傷割合と同じ割合になっています。
損傷と推定される3割分を黒く濁った色水をいれ、自分たちへの影響として表しました。
象徴としての原発と目に見えない影響や脅威を、それらが生んだ避難者数や色で可視化し表現しています。