3.11何が起こったのか?

過去40年の間に、自然破壊を伴う開発によって、住居、及びそれに布設される道路、防潮堤、上下水道等が整備された。震災によって、中世、近代からはじまった、人口増加に伴う、湾の埋め立ての歴史は一気に消し去られ、土地の原風景が現れた。こうした地域インフラが消滅し、今、住民は防潮堤をはじめとする、再来する津波への対策方法の決断を迫られている。今回の津波の浸水範囲が、縄文時代から江戸時代までの海岸線と重なるという事実が、都市に焦点をあてた近代開発による復興の在り方に疑問を投げる。南三陸町の復興計画においては、海と陸を一体の自然として捉えることを原点とし、海側からの視点にたち、土地本来の性質を優先した環境共存の暮らしを再びかたちづくることが、災害に強い、持続可能性のある本質的な復興への大義となるだろう。