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THE SIX CATEGORIES
Design & Art

 

戦後、北欧やアメリカのデザインが日本にも広く紹介されるようになり、1952年にインダストリアルデザイナー協会が設立され、1957年に通商産業省がGマーク制度(グッドデザイン商品選定制度)を創設するなど、デザインやアートが日本人の日常に欠かせないものとなる。さらに近年、空間や建築、生活におけるデザインやアートの役割の重要性は、ますます高まっている。『approach』の特集では創刊号の特集が「現代建築のなかの美術」(1964年 春)であり、4号目では「インテリアデザイン」(1964年 冬)を取り上げ、その後「建築とレタリング」(1965年 秋)、「椅子」(1967年 冬)、「システムズ・アプローチ」(1968年 春)など、1960年代の早い時期から様々な角度でデザインやアートを取り上げてきた。最近の特集では「民藝の美」(2006年 夏)や、北欧デザインの巨匠「フィン・ユール」(2012年 春)など、時代を超えて現代の人びとの生活の中で光を放つ工芸やデザインの数々を紹介した。

 

1969 冬 建築と彫刻
当時日本でも建築と芸術の関係について注目されていたが、絵画の作品が中心であった。その後、彫刻家の流 政之やイサム・ノグチが彫刻作品を制作し、建築の巨大化に伴って作品も大型化に向かった。建材の工業化に対応し、彫刻の素材も工業的で軽快な素材も使用されるようになった。この特集では、建築と芸術の数々のコラボレーションを紹介している。

 

1983 秋 近代デザイン界の巨匠 アレクサンダー・ジラードとフォークアート・コレクション
ニューメキシコ州サンタフェのインターナショナル・フォークアート美術館のアレクサンダー・ジラード棟。ジラードが子供時代より収集し、寄贈した10万6,000点に及ぶフォークアートは、ジラード自身が情熱を注いで30カ月余りかけて展示した。国境・人種を超えたヒューマニティで結ばれたフォークアートの世界が広がる。

 

1998 夏 柳 宗理が語る―デザインが失ってはならないもの
柳 宗理は、民藝運動の創始者を父に、母はクラシックの歌手という、感性豊かな環境で育った。日本における工業デザインのパイオニアとして長年に亘り活躍した柳 宗理の幅広い分野に亘る作品の数々を紹介しながら、柳と三宅一生の対談を通じて、柳デザインの本質や、理想としてのアノニマウスデザイン等について考察した。